漫画感想

【感想】ヨリシロトランク(3巻完結)

2021年10月19日

 

基礎情報

ヨリシロトランク3巻表紙
出典:ヨリシロトランク3巻表紙

作品名 : ヨリシロトランク
ジャンル: ヒューマンドラマ
漫画  : カエデミノル
原作  : 鬼頭莫宏
出版社 : 株式会社講談社
掲載誌 : コミックDAYS
レーベル: モーニングKC
発表期間: 2020年2月~2021年8月
巻数  : 3
状態  : 完結
アニメ : -

 ある日、世界は「改変者」と自らを名乗る少女によって新ルールに書き換えられた。
 殺した人間を殺せば、殺された人間が蘇る因果応報の世の中に。
 娘を生き返らせたい父親、身重の婚約者を救うために死ぬ男、罪を償いたいヤクザ…。
 死者への想いを抱えながら生きる者達の暗闇と光の物語。

出典:ヨリシロトランク1巻裏表紙

感想概要

 おすすめ:[osusume]
 もし「復讐したら失ったものが戻る」のであれば、人はどうするのか。
 改変された世界のルールをうまく利用した話で面白い反面、そのルールがあるおかげで話のオチが途中から透けてしまうのが残念と言えば残念でした。 
 改変された世界のルールの中で蘇柱刑(蘇柱制度)は面白いと思いましたが、説明されても理解がしにくいというのがあり、他のストーリーにあまり絡んでこず、ストーリーに生かしてほしかったです。


 

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登場人物

・早川瀬正(はやかわせただし)
 早川瀬志津の父。父子家庭。
 一人娘をストーカーに殺され絶望するが改変された世界でストーカーを殺して娘をよみがえらせる。

・早川瀬志津(はやかわせしづ)
 高校生。17歳(物語開始時)。
 ストーカー被害にあい、殺害される。

・改変者(かいへんしゃ)
 自ら改変者と名乗り世界の法則を変えた。
 殺人を犯した人間を殺せば殺害された人間が蘇る世界に。

あらすじ

 父・正と娘・志津は父子家庭であった。
 娘はストーカーに悩まされており、警察に被害届を出していた。

 ある夜、志津はストーカーに殺害される。
 娘の葬儀を済ませ、絶望の底にいた正の前に改変者が現れ、世界の法則を変える。

 殺人を犯した人間を殺せば殺害された人間が蘇る世界に。

 残されたもののない正は改変者の言を真に受けたわけではないが、ストーカーを殺害することを決める。
 ストーカーの手掛かりを探すうちに自身が娘の何も知らないと打ちひしがれる中、殺害現場に再び現れたストーカー。

 正はストーカーを殺す。
 そして殺された志津が蘇った。

感想

 よく言われる「復讐なんてしても残るのは虚しさだけだ」「復讐しても失ったものは戻らない」。
 もし「復讐したら失ったものが戻る」のであれば、人はどうするのか。

 内容が内容なのでオムニバスのような形になります。
 改変された世界のルールをうまく利用した話で面白い反面、そのルールがあるおかげで話のオチが途中から透けてしまうのが残念と言えば残念でした。
 
 途中出てくる蘇柱刑(蘇柱制度)、こう言っていいのかわかりませんが面白い制度だと思いますよ。
 あくまで改変された世界のルールとして。

 ただ、実感がないのでルールだけ説明されても理解がしにくいというのがあり、他のストーリーにあまり絡んでこないです。
 「殺害した」「殺害された」がどう定義されているのかの検証を深堀してストーリーに生かしてほしかったです。

 最後には始まりの物語の終末が描かれていて良かったです。

作者・書籍関連

 カエデミノルさん
 https://twitter.com/puddingYaki


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