漫画感想

【感想】チ。-地球の運動について-(~2巻まで)

2021年1月21日

 天体が好きな方におすすめ。

基礎情報

チ。-地球の運動について-2巻表紙
出典:チ。-地球の運動について-2巻表紙

作品名 : チ。-地球の運動について-
ジャンル: ヒューマンドラマ
漫画  : 魚豊
原作  : -
出版社 : 株式会社小学館
掲載誌 : 週刊ビッグコミックスピリッツ
レーベル: ビッグコミックス
発表期間: 2020年42・43合併号~
巻数  : 2
状態  : 連載中
アニメ : -

 命を捨てても曲げられない信念があるか?
 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?

 異端思想が過激に弾圧されていた中世ヨーロッパ。
 主人公の天才児・ラファウは”合理性”に従ってさえいれば世界はチョロいとナメていた。
 しかし、ある日ラファウの下に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった―――

出典:チ。-地球の運動について-1巻帯

感想概要

 おすすめ:[osusume]
 今現在を生きる私達には当たり前の常識となっている「地動説」。
 天動説が主流で、C教による異端が弾圧されていたとき、地動説を信じ、それを知りたいと、美しいと思った人たちの話。
 「答え」を知っている私たちが、それを求め知るために観測し、考え、託し、紡がれた物語に面白さを感じるのはなんだか不思議な感じがします。


 

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登場人物

・ラファウ
 1巻の主人公。
 孤児として生まれ人生の”詰み”要素満載だったが、合理的に、嘘も使ってうまく世渡りしていた。

・フベルト
 異端思想により拷問を受けたが、改心したと偽りラファウの父に身柄を引き取られる。

・ポトツキ
 ラファウの義父。
 異端思想で前科があった。それもフベルトと同じ異端思想で。

・オクジー
 2巻の主人公のひとり。
 夜空を見るのが好きだったが、神父に汚れた底辺の地球から眺めているから奇麗なのだと言われて以降見れなくなる。

・グラス
 火星の軌道に美しさを見出したが、完璧と思ったそれが予想外の方向に行き絶望してしまう。

・バデーニ
 修道院の聖職者。
 ずば抜けて頭がよく博学だが、教会的な思慮には欠ける。

あらすじ

 中世ヨーロッパ。
 神学が最も聖書を論理的に読み解く至上の学問とされていた。

 天文でいえば天動説(プトレマイオスモデル)が主流であり、正しいと信じられていた。
 それに対する説は異端でありC教により異端思想は過激な弾圧がされていた。

 1巻では世渡りのために嘘も平気でつくラファウがフベルトの言う地動説に魅せられる。
 それはかつての自分など微塵もないほどで、人生や命すらかけるほどに。

 2巻ではオクジーとバデーニを主に話が進みます。
 夜空の星がきれいで、それを見るのが好きだったオクジー。しかし神父の言をきっかけに見れなくなってしまう。
 グラスが行っていた火星観測をバデーニに託し、彼らは地動説に魅せられていく。

感想

 天動説が主流で、C教による異端が弾圧されていたとき。
 地動説を信じ、それを知りたいと、美しいと思った人たちの話。
 人生や命を捧げても知りたいと思うそれは、その感動は、狂気にも似た愛なのかもしれない。

 正直、絵がうまいかと言われれば普通、もしかしたら下手と思う人もいるかもしれません。
 それを補って余りある物語が確かにあります。

 今現在を生きる私達には当たり前の常識となっている「地動説」。
 「答え」を知っている私たちが、それを求め知るために観測し、考え、託し、紡がれた物語に面白さを感じるのはなんだか不思議な感じがします。

作者・書籍関連

 魚豊さん
 https://twitter.com/uotouoto


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