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基礎情報
作品名 : 魔法少女育成計画
ジャンル: 魔法少女バトルロイヤル
漫画 : 江戸屋ぽち
原作 : 遠藤浅蜊
出版社 : 株式会社KADOKAWA
掲載誌 : 月刊コンプエース
レーベル: Kadokawa Comics A
発表期間: 2014年11月号~2015年12月号
巻数 : 2
アニメ : 2016年10月~12月
16人の魔法少女は■■■■■■■を奪い合う。
出典:魔法少女育成計画1巻帯
呆然必死の読後感。
絶対不変の傑作ライトノベル対に漫画化。
感想概要
おすすめ:★☆☆☆☆
唐突に魔法少女にされ、突然増えすぎたから殺します宣言、理不尽すぎる。
魔法少女の外見と正体の外見や能力が全く関係ないので、魔法少女で話を進めていって最後に正体を現されても突然すぎるのが難点であり、各キャラが本当に魔法少女になりたいと思う描写が足りておらず、感情移入ができない。
- 物語性
- 2
- 人物像
- 3
- 世界観
- 2
- 絵画力
- 3
- 緻密さ
- 2
- 漫画力
- 2
- 更新度
- 3
- 作家性
- 2
- 話題性
- 0
- 希少性
- 0
感想
ソーシャルゲーム”魔法少女育成計画”のプレイヤー何万人かに一人の割合で”本物の使い魔(ファヴ)が目の前に現れ”本当の魔法少女になる。
主人公姫川小雪はスノーホワイトの魔法少女となったが、主人公の住むN市にはボスキャラや敵がいるわけでもないため、困っている人を助けゲーム内のアイテムであるマジカルキャンディを集めていた。
週に一度開催される”魔法少女集会チャット”で管理事務所からN市の魔法少女が16人と増えすぎたこと、週に一度、マジカルキャンディの所有数が一番少ない魔法少女を脱落者とし、8人まで減らすことを告げられる。
そしてその場でねむぽん、主人公と親しくしていた先輩魔法少女が今週の脱落者として発表されるとともに、命を落とす。そこから魔法少女たちの生き残りバトルロイヤルが始まる。
唐突に魔法少女にされ、突然増えすぎたから殺します宣言、理不尽すぎる。
途中でファヴが「本当になりたいと思っていないんだったら選ばれない」と言っているが、各キャラが本当に魔法少女になりたいと思う描写が足りておらず、感情移入ができない。
週一で一人ずつ、最下位を殺すという方法なのか不明。単純に人数を半分にしたいなら「翌週までに魔法少女を1人倒せ」でいいし、作中でラ・ピュセルが言うように「人助けを重ねてマジカルキャンディを集めることができない魔法少女が脱落する」方式ならマジカルキャンディ●●個未満は脱落とか、それこそ下から8名脱落でよいはず。
なぜかバトルロイヤルが決定した後管理事務所からアプリに追加された機能は、「マジカルキャンディを譲渡しあえる機能(自身以外の所持しているポイントは表示されない)」。
もはやただ魔法少女たちを戦わせるためだけの物語なのだが、なんで「譲渡しあえる」機能なんだろうか。戦わせたいのなら「負かした相手から奪う」でもよいだろうし、ポイントによる順位を知略や陰謀で競わせるならポイント表示は必要だろう。
このポイント制、ルーラの話をやるためだけに作られた設定にしか思えない。
ハードコア・アリスがスノーホワイトに探していた家の鍵を見つけてもらったから、戦うこと以外でも困った人を助けるような魔法少女が必要だ、スノーホワイトは必要だ、というのはわかるんですが、ハードコア・アリスがどうしてそこまで家の鍵がなくて困っているのかが描かれてないので共感が難しい。
カラミティ・メアリ対トップスピード&リップル、リップルの魔法が「手裏剣を投げれば百発百中だよ」と言われているのに、手裏剣以外も投げて百発百中になるとかひどすぎる。
クラムベリー対スイムスイムやリップル対スイムスイムも魔法の弱点を突いて攻撃してる感じを装ってなぜそうなってるのかわからない。論理的に弱点を考察してるようだけどそもそも魔法を使える時点で何でもありなことが抜けてる。
魔法少女たちが戦うことになるそもそもの原因を作ったであろうクラムベリーの過去や「魔法の国」も描写がちょこっとあるだけでどうゆうことか想像しかできない。
最後の魔法の国の武器もどっから持ってきたのかわからないし、作者がやりたいこと、見せたい場面は何となく伝わってくるんですが、ご都合主義が過ぎるという感じが否めない。
スノーホワイトの魔法が「困ってる人の声が聞こえるよ」で、リップルやファヴの声を聞いたところは面白いなと思いました。ファヴが「人」なのかは置いておいて。
あとトップスピードとリップルの関係は好きです、リップルがトップスピードの正体を知るところとか。魔法少女の外見と正体の外見や能力が全く関係ないので、魔法少女で話を進めていって最後に正体を現されても突然すぎるのが難点ですが。
コミカライズにあたって省略された部分が多かったんだと思いますが、前述の各魔法少女の描写が深堀されていれば面白かったんだと思います。
余談
ソーシャルゲーム”魔法少女育成計画”のプレイヤー割合について。
数万人に一人の割合で魔法少女となると言及されているので、2万人に1人の割合でN市に16人の魔法少女が現れたとすると、プレイヤーは少なくとも32万人はいると思われます。日本の市で最も人口の多い「市」が横浜市で372万人(平成27年、※1)なのでの8.6%が”魔法少女育成計画”をプレイしていることになります。
今の時世で現実の例を出すとFate/GrandOdrerは日本国内2,100万ダウンロードとなっていて(2020年9月7日、※2)、日本の人口1.258億人(2020年9月1日推計、※3)に対して16.7%です。
そう考えるとN市での”魔法少女育成計画”プレイ割合が凄過ぎます。
※1 出典:「平成27年国勢調査」(総務省統計局)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200521&tstat=000001049104&cycle=0&tclass1=000001049105
※2 出典:Fate/GrandOdrer公式HP
https://news.fate-go.jp/2020/2100man/
※3 出典:「人口推計」(総務省統計局)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
作者・書籍関連
江戸屋ぽちさん
https://twitter.com/pochi_edoya
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