天体が好きな方におすすめ。
基礎情報
作品名 : チ。-地球の運動について-
ジャンル: ヒューマンドラマ
漫画 : 魚豊
原作 : -
出版社 : 株式会社小学館
掲載誌 : 週刊ビッグコミックスピリッツ
レーベル: ビッグコミックス
発表期間: 2020年42・43合併号~
巻数 : 4
状態 : 連載中
アニメ : -
命を捨てても曲げられない信念があるか?
出典:チ。-地球の運動について-1巻帯
世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?
異端思想が過激に弾圧されていた中世ヨーロッパ。
主人公の天才児・ラファウは”合理性”に従ってさえいれば世界はチョロいとナメていた。
しかし、ある日ラファウの下に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった―――
感想概要
おすすめ:★★★★☆
タイトルにつながるセリフも出てきてオクジー・デバーニ編(?)もクライマックスでしょうか。
天動説に近づきつつある中、2点留めしてかけていたアクセサリーを楕円軌道に気づくところはすごかったですね。
- 物語性
- 10
- 人物像
- 10
- 世界観
- 10
- 絵画力
- 5
- 緻密さ
- 7
- 漫画力
- 9
- 更新度
- 7
- 作家性
- 6
- 話題性
- 6
- 希少性
- 2
登場人物
・ラファウ
1巻の主人公。
孤児として生まれ人生の”詰み”要素満載だったが、合理的に、嘘も使ってうまく世渡りしていた。
・フベルト
異端思想により拷問を受けたが、改心したと偽りラファウの父に身柄を引き取られる。
・ポトツキ
ラファウの義父。
異端思想で前科があった。それもフベルトと同じ異端思想で。
・オクジー
2巻の主人公のひとり。
夜空を見るのが好きだったが、神父に汚れた底辺の地球から眺めているから奇麗なのだと言われて以降見れなくなる。
・グラス
火星の軌道に美しさを見出したが、完璧と思ったそれが予想外の方向に行き絶望してしまう。
・バデーニ
修道院の聖職者。
ずば抜けて頭がよく博学だが、教会的な思慮には欠ける。
・ヨレンダ
宇宙論の大家(ピャスト伯)の天文研究所に所属する女性。
他の者と同じ試験を合格しているにもかかわらず女性であることから研究会に参加させてもらえずにいる。
・ピャスト伯
天動説を一族の従兄弟違いから引き継ぎ、完璧な天動説に人生を捧げる。
あらすじ
中世ヨーロッパ。
神学が最も聖書を論理的に読み解く至上の学問とされていた。
天文でいえば天動説(プトレマイオスモデル)が主流であり、正しいと信じられていた。
それに対する説は異端でありC教により異端思想は過激な弾圧がされていた。
1巻では世渡りのために嘘も平気でつくラファウがフベルトの言う地動説に魅せられる。
それはかつての自分など微塵もないほどで、人生や命すらかけるほどに。
2巻ではオクジーとバデーニを主に話が進みます。
夜空の星がきれいで、それを見るのが好きだったオクジー。しかし神父の言をきっかけに見れなくなってしまう。
グラスが行っていた火星観測をバデーニに託し、彼らは地動説に魅せられていく。
3巻では地動説に真理を見出そうとするバデーニが一計を案じる。
上級市民の知的遊戯のための掲示板、そこに天文の知識と優れた知性がないと解けない問題を出す。
解けるものをひたすら待つことにしたが、一日と経たず解いた少女ヨレンダが現れる。
ヨレンダの協力もありピャスト伯の資料を得られたバデーニは太陽を中心とした円軌道を計算、検証を始める。
どうしても真円とならない軌道に悩む中、フベルトから託されオクジーが壁に2点留めしてかけていたアクセサリーを見て思い至る。
そんな中ヨレンダの父が現れるが、かつて異端者の輸送に同行した異端審問官だった。
感想
タイトルにつながるセリフも出てきてオクジー・デバーニ編(?)もクライマックスでしょうか。
天動説に近づきつつある中、2点留めしてかけていたアクセサリーを楕円軌道に気づくところはすごかったですね。
ひらめきと言うか気づきっていうのは何でもないところに転がってる感じが。
ピャスト伯の「自らが間違っている可能性」を肯定する姿勢が研究には大切だと主張するオクジーとそれを許容してしまうと研究者は永遠に未完成の海を漂い続けることになると反対。
程度問題と片付けてしまうのは簡単ですが、真理というものがあったとして、そこに至ろうと信じてきた自身をも疑うことはどれほどのものなんでしょうか。
前巻までの感想
作者・書籍関連
魚豊さん
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