電子書籍化し、保存したと思って安心してはいけません。
電子書籍の利点はデータ化にあり、その恩恵は保存場所や検索の容易さ、アクセスの良さなどがりますが、大きなデメリットの一つが削除のしやすさです。
スキャンの方法などは試行錯誤しながらやればよいですが、データ消失は取り返しがつきません。バックアップは必ず行ってください。
1.scansnapでの削除回避
scansnapの仕様上、scansnap上で削除したデータは復元できません。PCのごみ箱に入るわけではなく完全削除されます。有料のデータ復元ソフト等を使用すれば復元できるでしょうが、そもそも間違って削除しなければよいので、以前の保存順序を参考にscansnapのフォルダから即時退避するのがよいと思います。
2.HDDでのデータ消失回避(バックアップ)
電子書籍化した漫画はHDD等に保存しているかと思います。
600dpi相当で単行本1冊を電子書籍化すると大体300MB程度になります。3冊で約1GB、3000冊で約1TB、10,000冊で約3.2TB必要になる計算です。
現在はHDDも大容量化・廉価になっているので、個人でもTBクラスのHDDは簡単に入手できます。
2020年6月1日現在、WESTERN DIGITALのHDD(4TB)が平均価格で10,793円でした。
問題となるのはバックアップです。
電子書籍(自炊)は自身の所有物であるため、消失したときには自己責任です。電子的なコピーをしやすい反面消去してしまうのも一瞬です。電子書籍化した後の紙書籍は基本捨てますので、消去してしまうと後に何も残りません。
そうならないためにもバックアップが必要です。
バックアップの基本としては3-2-1ルールが有名かと思います。3つのデータ(通常のデータが1つ、バックアップが2つ)、2つのメディア(HDDとNAS、Blu-rayなど)、1つは違う場所(クラウドや別宅など)というものです。
理想の方法としてはHDD、Blu-ray、クラウドに同じデータを保存しておくことですが、TB級のバックアップではHDD以外の方法は難しいです。
理由としてはBlu-rayは1枚の容量が4層のもので128GBため、仮に3.2TBをバックアップするとなると25枚近く必要になります。
三菱ケミカルメディアの4層Blu-ray5枚組が平均価格で約10,000円なので、25枚で50,000円、記録速度は2倍速。4層Blu-rayであるBD-XLに対応した機器も必要です。
また、クラウドサービスは数十GB~数百GBが主流で、3TBの容量を確保しかつ維持するとなると結構な費用がかかります。
例えばDropBoxProfessionalは3TBの容量で2,000円/月です。年間だと24,000円です。
https://www.dropbox.com/individual
安価で導入できるのはAOSBOXですが、容量無制限の記載のところに小さく「バックアップ対象は、PC本体内蔵HDDのみ」とあることや、あくまでネット上の評判ではアップロード速度激遅、復旧激遅とあるので個人的に導入は見送っています。
https://www.aosbox.com/aosbox-cool/
それらを勘案して、以下の方法を採用してます。
実家 メインNAS
実家自室 バックアップHDD
自宅 バックアップHDD