寂しがり屋な方におすすめ。
基礎情報
作品名 : 熱帯魚は雪に焦がれる
ジャンル: 不器用なガールズシップ・ストーリー
漫画 : 萩埜まこと
原作 : -
出版社 : 株式会社KADOKAWA
掲載誌 : 電撃マオウ
レーベル: 電撃コミックスNEXT
発表期間: 2017年8月号~
巻数 : 8
状態 : 連載中
アニメ : -
都会の高校から、海辺の田舎町にある七浜高校へ転校してきた小夏は、周囲にうまくなじめずにいた。
出典:熱帯魚は雪に焦がれる1巻裏表紙
そんなとき、七浜高校水族館部のひとり部員である小雪と出会う。
小雪は周囲から高嶺の花と思われており、そのイメージ通り振る舞うことに、少し寂しさと息苦しさを感じていた。
異なる孤独を抱えて、お互い引かれたふたりは―――?
感想概要
おすすめ:[osusume]
寂しがりやな二人が相手を知ることに、自分の気持ちを伝えることに怖がりながらも相手を求めてやまない、でも言葉足らずだったりすれ違ったりしてしまう話。
孤独な気持ちを「山椒魚」(井伏鱒二著)に例えながら進めるのは面白いです。
[chart01]
登場人物
・天野小夏
主人公。
1年生の時に父親の仕事の都合で単身叔母の元へ、七浜高校に転校してきた。
周囲となじめずにいたところ、小雪と出会い水族館部に入部する。
・帆波小雪
七浜高校水族館部のひとり部員だった優等生。
ただ、周囲の期待する優等生としてあるのに息苦しさと孤独を感じていた。
・広瀬楓
小夏のクラスメイトで友人。
明るく元気なお姉ちゃん子。
あらすじ
父親の仕事の都合で一人、叔母の元へ引越し七浜高校へ転校してきた主人公・天野小夏。
父親には一人でも大丈夫と言ったものの、一人ぼっちで寂しくて不安だった。
七浜高校では月に一度水族館部が一般公開を行っていた。
そこで見かけた何もいない水槽を見ていると、帆波小雪に声を掛けられる。
まだうちの水族館に来たばかりでまだ一度もお客さんに姿を見せたことのないシャイなサンショウウオだと。
小夏はサンショウウオと同じように誰とも交わらずにいた小雪の水族館部に入ることを決めた。
水族館部の活動や花火を見に行ったり、一緒に過ごすにつれて小雪のことを知りたいと思う小夏。
高嶺の花と一人になっている小雪に自身を押し殺さないでほしい、みんなと打ち解けてほしいと思う一方で、自分が一番に受け入れると思っていた。
それなのに変わらないで自分の側にいてほしいとも思っているのに、伝えられずにいた。
小雪は一人だった水族館部が小夏の入部で一層楽しくなり、優等生ではない本当の自分を見つけようとしていた。
そんな自分の変化もあり、周囲との関係も少しずつ変わりクラスメイト達とも遊びに行くようになった。
進路も決め新しい部員を勧誘して、自身がいなくなっても寂しくないようにと思っていたが、今の自分になれた小夏の気持ちに気づけないでいた。
感想
寂しがりやな二人が相手を知ることに、自分の気持ちを伝えることに怖がりながらも相手を求めてやまない、でも言葉足らずだったりすれ違ったりしてしまう話。
相手のちょっとしたことが気になったり、自分が大切に思っていることがしてもそうだと思っていてほしいと思ったり。
孤独な気持ちを「山椒魚」(井伏鱒二著)に例えながら進めるのは面白く、一体誰が山椒魚なんでしょうね。
基本は小夏と小雪の話ですが、ふたりの友人、親兄弟がいて、その人たちにもそれぞれ思うことがあり心配したり気遣ったり、ふたりだけの話ではないのが良いです。
脇役ではありますが、広瀬楓ちゃんが可愛いです。二人の架け橋的な存在でありつつ、お姉ちゃん子である彼女もまたサンショウウオなんでしょう。
7巻では小雪が小夏を傷つけてしまったと、気付いてあげられなかったその気持ちを聞きに行きます。
小夏の気持ちを聞き、小雪も自身の思いを伝えたときに溢れ出た小夏の涙。これに泣かないやつがいるか。
8巻では小夏が「山椒魚」になぞらえた言葉に、小雪が気づいているとわかるところで終わります。
花火の話とか修学旅行の話とかここでそれを持ってくるのかというのと、次巻で最終巻しかも予告編までついていてもう早く続きが読みたい。
作者・書籍関連
萩埜まことさん
https://twitter.com/haginomakoto
電子書籍はebookjapanがおすすめ!
電子書籍版(8巻)
電子書籍版(1巻)