十数億年て「年」と「秒」間違えてるでしょ。31,536,000歩譲って。
基礎情報
作品名 : 一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた~落第剣士の学院無双~
ジャンル: ファンタジー
漫画 : 士土幽太郎
原作 : 月島秀一
出版社 : 株式会社KADOKAWA
掲載誌 : ヤングエースUP
レーベル: Kadokawa Comics A
発表期間: 2020年2月~
巻数 : 1
アニメ : -
周囲から「落第剣士」と蔑まれる少年アレン。
出典:一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた~落第剣士の学院無双~1巻裏表紙
彼はある日、「時の仙人」と名乗る謎の老人と出会い、「一億年ボタン」を渡される…が、それは「押せば一億年間、時の世界へ囚われる」という呪われたボタンだった!!
しかし、それを逆手に取ったアレンは一億年ボタンを連打し、十数億年もの修行の果てに、極限の剣技を身に付ける―――!
「落第剣士」が紡ぐ剣戟無双ファンタジー、ここに開幕!
感想概要
おすすめ:[osusume]
たぶん原作は戦闘描写も曖昧なんじゃなかろうか。
キャラクターは主人公が負かしてざまぁみろという男か侍らす女しかいなく主人公の対戦相手は惜しげもなく奥義を使ってくるので、流派も奥義も重みなどありません。
ストーリーはもうご都合主義と俺TUEEEっぽい何かでしかありません。
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感想
原作未読、たぶん一生読むことはないので漫画のみでの感想を書いていきます。
たぶんだけど、ひどい原作を漫画家さんが頑張って見れるようにしてる作品なのではないだろうか。
序盤の導入部分からすでに疑問符だらけ。
主人公の通うグラン剣術学院で自主練習をしていると思われる風景。剣術学院っていうからには剣術を教わったり、練習する場所ではないの?なんでグラウンドで素振りしてるの?
主人公は剣術の才能がなさ過ぎてどの流派にも入れてもらえない=部室や練習場所を貸してくれない、とはならんでしょ。何のための剣術学院なの。勉強を教えてくれない学校とかだったら学校ではない。
しかも素振りは、細かな描写や記述がないので不明ですが、鞘から抜いた真剣で行っています。素振りに重くした竹刀を使うとか、決闘といえど学院内で事務職員(?)も見守るのに模造刀を使うとかそういう発想自体がないんだと思います。
主人公が「天才剣士」と言っているドドリエルも最底辺で「落第剣士」と言われている主人公に何故絡むのか。自分から絡んでいって近寄るな落第剣士風情が!とか、もはや意味不明。
煽られた主人公はドドリエルに決闘を申し込むも、そもそもこの世界での決闘の位置づけもわからんし、なんで申し込んでその場でやらなかったのか。
決闘を申し込んだのはいいけど、素振りしてても勝てないことはわかっている、とその時、時の仙人なる人物が登場し一億年ボタンを使わないかと言ってくる。時の仙人は後ろで見てたのかな?
さて、時の仙人が出してきた、タイトルにもある本作の肝であろう一億年ボタン。
裏表紙にあるあらすじには一億年ボタンは呪われたボタンと言っているけど、作中ではそんなこと言われていない。
押せば異界に移動し一億年の時を過ごせる、オプションで一軒家があり、無限の食糧、広い浴場もついている。本当に呪われていますか?
決闘で勝ちたいから押してしまうわけだけど、一億年ボタンを押して移動した異界では時間がカウントされている、しかも日本語表記。
十年素振りだけしていた主人公は「剣術の理」がわかってきて、百年で様々な技を身に付けたとのこと。
一万年経過してやっと自分自身と戦う修行法を思いつくのは遅すぎだし、剣術の理より後なのもどうかと思います。
しかも主人公は「まだ何年も残ってる」ではなく「とにかく急がないと」というメンタルの持ち主、完全にヤベー奴です。
そこから一億年の経過は2ページくらいのダイジェストでお送りされ、異界から戻ってきた主人公が再び押した後も描かれません。
一億年ボタンを押して、異界から帰ってきた主人公に修業はちゃんと現実のものになってると時の仙人は言います。先に言え。
十年いや、三年もまともに筋トレしてちゃんと栄養を取っていればムッキムキのマッチョになっていると思いますが、主人公はそうなりません。でも一億年の修業はちゃんと身についています。
十数億年も精神が壊れず、ボタンを押す前の決闘の時間もちゃんと忘れず、ずっと恨まれ続けるドドリエル、主人公はやべー奴です。
ボタンを押して強くなった主人公にはドドリエルの動きはとてもゆっくりに見えるようです。ドドリエルを負かすときに一振りで斬撃が七つに分かれたと自身で驚いていますが、2話後では「八つの斬撃をもって一撃となす」必殺技「八の太刀 八咫烏」を放っています。その必殺技できるんなら驚くことないですよね。
しかもドドリエルは斬撃で吹っ飛ばされ壁にめり込むほどです。普通の人間なら死にます。
なお、その後出場する剣武祭や千刃学院での対戦では相手の動きが遅く見えるような描写はされません。
必殺技「八の太刀 八咫烏」のネーミングについても触れておくと、一の太刀は「飛影」なので数字を冠したいわけではなさそうですし、八咫烏の足は3本と言われており必殺技になんも関係ありません。
ちなみに八咫烏は首が八つあるわけでも爪が八つあるわけでもなく、咫八つ分(約144cm=約18cm*8)の体長からの名前です。なので斬撃が八つになるのに「ビッグフット」と言ってるくらいアホ丸出しで恥ずかしいです。作者が「八咫烏」って言いたいだけ以外の何物でもないでしょう。
加えて言うのであれば、百年も鍛錬して編み出した必殺技のネーミングがこれな主人公はやべー奴です。
剣武祭では俺TUEEEで勝ち進んでいく主人公、なぜか主人公が出ている時に限って劇中で有名な千刃学院の理事長が来ているので、推薦入学の申し入れを受けます。
その後は辛くて斜め読みしました、すみません。
キャラクターも設定もストーリーもガバガバ、たぶん原作は戦闘描写も曖昧なんじゃなかろうか。
キャラクターは主人公が負かしてざまぁみろという男か侍らす女しかいなく「王女」とか属性付けてればいいでしょ感しかなく、主人公の対戦相手は惜しげもなく奥義を使ってくるので、流派も奥義も重みなどありません。
ストーリーはもうご都合主義と俺TUEEEっぽい何かでしかありません。
一億年ボタンは押せば強くなるものではないので「気付いたら」とかタイトルですでに矛盾しています。
漫画の方は頑張っているんだと思いますが、画力がやや足りず不安定です。
作者・書籍関連
士土幽太郎さん
https://twitter.com/HmNngnCpc1ablzm
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