漫画感想

【感想】メダリスト(1巻)

2021年1月16日

 フィギュアスケートが好きな方におすすめ。

基礎情報

メダリスト1巻表紙
出典:メダリスト1巻表紙

作品名 : メダリスト
ジャンル: スポーツ(フィギュアスケート)
漫画  : つるまいかだ
原作  : -
出版社 : 株式会社講談社
掲載誌 : アフタヌーン
レーベル: アフタヌーンKC
発表期間: 2020年7月号~
巻数  : 1
状態  : 連載中
アニメ : -

 「司先生は…っ わたしが世界一になりたいって言ったら手伝ってくれますか?」

 フィギュアスケート強豪国・日本―――。
 世界レベルで競い合う全日本選手権に出場できるのは、ほんのひと握りの選手だけ。
 生活の全てをスケートに捧げてきたが夢破れた青年・司と選手になることを熱望しながらも、見放された少女・いのり。
 氷の上で出会った二人がコーチと選手となって誰より熱く、世界を目指す!

出典:メダリスト1巻裏表紙

感想概要

 おすすめ:[osusume]
 フィギュアスケートを取り巻く現実を描きつつキャラクターの背景や性格をうまく表現しながらストーリーを進めてくれるので、スムーズに話に入っていけます。
 ストーリーもテンポ早く進んでいき、ときに面白く、ときに熱い展開でぐいぐい話に引き込まれます。


 

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主な登場人物

・結束いのり(ゆいつかいのり)
 主人公。
 小学五年生。ミミズと引き換えに一人でフィギュアスケートの練習をしていた子。
 姉が以前フィギュアスケートを習い挫折した経験から親に習うことを止められる。
 明浦路司に出会いフィギュアスケートの才能を開花させていく。 

・明浦路司(あけうらじつかさ)
 全日本選手権を目指すのであれば5歳から始めるべきと言われている中、中学生から始めた。
 夢破れて現実と折り合いつつもフィギュアスケートを諦められずにいた。
 偶然出会ったいのりに才能と、過去の自分を重ねコーチをすることを決める。
 
・高峰瞳(たかみねひとみ)
 以前明浦路司とアイスダンスをしていた相方。
 司にクラブのアシスタントコーチの話を持ちかける。

あらすじ

 今やフィギュアスケート強豪国となった日本。
 世界屈指の選手がいるが、その陰にはあと一歩で世界に届かなかった選手がどれほどいるか。
 生活全てをフィギュアスケートに費やしても世界への進出の試金石となる全日本選手権までこぎつける選手は数えるほどしかいない。

 明浦路司も夢には届かず、フィギュアスケートを始めるのが遅かったことや経済的な理由から行き着く現実に合わせてシングルからアイスダンス、そしてアイスショー出演と、フィギュアスケートにしがみついていた。

 そんな中、スケートリンクで不審な少女を見かけ、問いただすとスケートリンクの主人にミミズを集めて渡すのと引き換えに入場させてもらっているという。
 逃げる彼女が持っていたフィギュアスケートの教本の使い込み加減から、彼女がフィギュアスケートをやりたいことが見て取れたので、親にちゃんと伝えることとちゃんとお金を払ってリンクを使用するよう諭す。

 かつてアイスダンスの相方高峰瞳にクラブのアシスタントコーチとして働かないかと話を持ち掛けられる。
 アイスダンスで結果を出せたのは鷹峰のおかげで自身の実力ではないとコーチの話を断ろうとしていたところ、先日の少女が母親と現れた。

 娘の言葉を聞いてクラブ入会の話をしに来たと思いきや、母親はこの子には無理だろうから言ってやってほしいと言われる―――。

感想

 若干線が荒々しいところがあり、画面的にごちゃごちゃした感じがあるところがあります。
 まぁそんなことどうでもいいと思えるほど面白いです。

 フィギュアを始めるのが遅くお金の問題で夢破れてもしがみつく司。
 彼の経歴や後悔、それもかつてのものではなく今なお続くそれや、いのりへの期待や諦めてほしくない想い。

 いのりも日常生活、主に学校での生活は忘れ物や学習の遅さで友達もおらず、フィギュアスケートが唯一の楽しみ。
 それでも親に言い出せずこっそりスケートリンクに行ったり、教本をボロボロになっても描き込みまくって読み込んだり。
 
 キャラクターの逡巡や葛藤、羨望や焦りそういったものがわかりやく表現されていて、感情移入しやすく、主人公ふたりともすごく好きです。

 フィギュアスケートを取り巻く現実を描きつつキャラクターの背景や性格をうまく表現しながらストーリーを進めてくれるので、スムーズに話に入っていけます。
 5歳から始めることが言われるフィギュアで、11歳のいのりちゃんが遅れを取り戻すかのように成長し、ストーリーもテンポ早く進んでいきます。
 ときに面白く、ときに熱い展開でぐいぐい話に引き込まれます。
 
 

メダリスト1巻054
出典:メダリスト1巻

 いのりちゃんのお母さんが、フィギュア以外の夢を知らないからとフィギュアスケートをのクラブに入ることを諦めようと話した際にいのりちゃんが自身の意思を告白したシーン。
 1話の中でもちゃんといのりちゃんの状況や背景が描かれたうえでのこのシーンなので、ただの子供のわがままではなく、本当にいのりちゃんがフィギュアをしたいんだと伝わってきて良いですね。泣きそう。

作者・書籍関連

 つるまいかださん
 https://twitter.com/2lm_ykd


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