疑うことを忘れるなと思わせる作品
基礎情報
作品名 : テロール教授の怪しい授業
ジャンル: 教養
漫画 : 石田点
原作 : カルロ・ゼン
出版社 : 株式会社講談社
掲載誌 : モーニング
レーベル: モーニングKC
発表期間: 2018年48号~
巻数 : 3
状態 : 連載中
アニメ : -
テロール教授が教える、知るのは怖い、知らないのはもっと怖い、「テロとカルト」の真実。
出典:テロール教授の怪しい授業1巻裏表紙
「あなたたちはテロリスト予備軍です。」
予想だにしない一言に愕然とする生徒たち。
脱落=テロリスト認定。
恐ろしすぎる授業が始まる―――。
なぜカルト教団は大学や街頭で勧誘をするのか?
なぜ自爆テロは行われるのか?
そもそもテロリストとは何者なのか?
答えられない人は、テロリスト予備軍…!?
感想概要
おすすめ:★★★★☆
カルト集団やテロリストを肯定するものではありません。
しかし、そういったものは世にあり、自身が誘われることがないとは言い切れません。
そもそもそれらを漠然とした思い込み、固定観念、メディアによる既成イメージで決めていませんか。
大事なのは漫画で伝えようとしている「考え方」です。
- 物語性
- 10
- 人物像
- 9
- 世界観
- 10
- 絵画力
- 8
- 緻密さ
- 9
- 漫画力
- 10
- 更新度
- 5
- 作家性
- 6
- 話題性
- 4
- 希少性
- 0
主な登場人物
・ティム・ローレンツ
テロール教授。
米国出身。
馬場大学で政治学を教える大学教授。
・川島倖子(かわしまともこ)
テロール教授について授業を補佐する大学院生。
おしとやかで優しそうな印象だが。
・佐藤光一(さとうこういち)
地方から上京してきた大学生。
物語冒頭から大変な目に。
・澤村香子(さわむらきょうこ)
引っ込み思案な女性。
テロール教授の甘言でドーナッツを食べてしまう。
思慮深く鋭い指摘をすることが多い。
・秋川浩二(あきかわこうじ)
自意識過剰で意識高め。
理論武装せずに突っ走って言いたいことを言う場面も多い。
・村河順平(むらかわじゅんぺい)
ローレンツゼミの幹事となった。
見栄っ張りだが真面目な性格。
・白川秀郎(しらかわひでお)
とらえどころがないが要領がよく、世渡り上手。
現代的?な意見で翻弄することも。
あらすじ
地方から上京してきた少年・佐藤光一は馬場大学に入学し新生活への期待を膨らませていた。
大学入学を機に自分を変えたいと思っていたが、さっそくサークル勧誘の執拗な洗礼を受けていたところ、ティム・ローレンツ教授に助けられる。
教授に誘われるままゼミの懇親会に参加、先輩たちや優しい教授、見目麗しいTAを見て履修を決める。
オープンでやさしい雰囲気の懇親会から一転、クローズなゼミへの誘導、それはカルト集団の囲い込みの常套手段だった。
まんまとゼミ生となった佐藤たちは、教授の罠にはまり、とても優秀なテロリスト予備軍に認定されてしまう。
なぜカルト集団は大学や街頭で勧誘をするのか、なぜ自爆テロは行われるのか。
そもテロリストとは。
ティム・ローレンツ教授の怪しい授業が始まる。
感想
カルト集団やテロリストを肯定するものではありません。
ましてそう言ったものを作ろうとしているものでもありません。
しかし、そういったものは世にあり、自身が誘われることがないとは言い切れません。
そもそも「テロリスト」とは何なのか、漠然とした思い込み、固定観念、メディアによる既成イメージで決めていませんか。
漫画の中で言われていることはごもっともで、しかしそれを鵜呑みにしてはいけません。
大事なのは漫画で伝えようとしている「考え方」です。
言われればその通り、ということを意識して考えているでしょうか。
この漫画を読めば圧倒的な知識が手に入るというものではありませんが、考え方を見直す一つのきっかけになりそうです。
2巻巻末では3巻は2020年秋ごろ発売となっていましたが、2021年5月になりました。
2巻でオリンピックの話をしたので、2020東京オリンピックの(後の)話をしたかったのか、新型コロナウイルス感染症の影響か…。
いずれにせよ3巻が無事発売されてうれしいです。
作者・書籍関連
石田点さん
https://twitter.com/ishidaink
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