漫画感想

【感想】神童セフィリアの下剋上プログラム(1巻)

2020年10月9日

 理系の人が読んだら卒倒しそう

基礎情報

神童セフィリアの下剋上プログラム1巻表紙
出典:神童セフィリアの下剋上プログラム1巻表紙

作品名 : 神童セフィリアの下剋上プログラム
ジャンル: ファンタジー
漫画  : 唐辛子ひでゆ
原作  : 足高たかみ
出版社 : 株式会社竹書房
掲載誌 : WEBコミックガンマぷらす
レーベル: BAMBOO COMICS
発表期間:
巻数  : 1
アニメ : -

 夢の不労生活を手にするため0歳児は立ち上がる―――!!!!

 辺境の幼子セフィリア(0歳)は、前世で過労死したOLプログラマー。
 今世では絶対に同じ轍は踏まず、楽したお金を稼ぎたい……!!
 そんな強固な信念を胸に、前世の知識を生かした魔法を編み出すことに成功!

 絶対に働きたくない乳児のドキドキ異世界ライフ、開幕♪

出典:神童セフィリアの下剋上プログラム1巻裏表紙

感想概要

 おすすめ:[osusume] 
 過労死をすると異世界転生される小説家になろう系作品。
 転生先も転生前のスキルを活かせる体制は万全です。漫画1巻を読む限り魔法はプログラムのソースコードと同様らしく、使用するのに道具もいわゆる魔力も不要。手をかざして呪文名を言えば発動します。いろんなところにツッコミを入れたい方にはおすすめです。

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感想

 主人公千早はプログラマーとして働いていたが、過労死して0歳児に転生。転生した世界では魔法があり、前世のプログラムのソースコードと酷似していた。今度こそは過労死しないように働かずに生きていくと決め、魔法を解読していく。

 トラックで轢かれるか、過労死をすると異世界転生されるらしい小説家になろう系作品。
 転生先も転生前のスキルを活かせる体制は万全です。漫画1巻を読む限り魔法はプログラムのソースコードと同様らしく、使用するのに道具もいわゆる魔力も不要。手をかざして呪文名を言えば発動します。プログラムコードを書き込んだものを手にしていないと発動しないとかにしないと、だれでも発動できてしまうのでは?

 見た感じではプログラムは高水準言語で記載されており、コンパイラに相当する何かが必要だろうと思ってしまいます。
 コンピュータのプログラムはざっくり言うと①高水準言語(人間にわかりやすい単語、文法=機械はそのまま実行できない)で手順を記載、②翻訳(コンパイル)して、③電力を消費して、④機械が実行します。
 この作品では①を解読、作ってしまえば④が世界、物理現象レベルで実行されます。

 初めて使った魔法は「風よ」で、既存の構文に対して関数名を「風よ」としたことで発動しました。
 関数だけで実行されるのは…まぁいいとして、めちゃめちゃ日本語で「風よ」と記載しているんですが、言語的な問題は大丈夫なんですか。
 物質量という謎単位を使用していますが、こちらの世界の物質量molでいいですか?仮に物質量molだとして、何も消費せずに物質量を5000増やしています。
 窒素Nの原子量を14.007として、N2の原子量は28.014、N2を1molで28.014g、5000molのN2で140,171g=140kgです。空気は化学でいう混合物なので窒素が空気の78.1%として140,171g×0.781=109,394.67≒109kgです。
 0歳の赤ちゃんが木炭で文字を書いて「風よ」といっただけで、特に何も消費せずに109kg以上の空気を一瞬で生み出すとか神様ですかね。

 その後のストーリー上での考察で「方位指定子」があり、これを設定することで術者の頭と手のひら(魔法の発動地点)をつなぐ一直線上に包囲が設定され(0,0)(359,359)まで調整することも可能とされています。
 方位指定子は果たして方位を指定しているんでしょうか。術者と魔法の発動地点を結ぶ一直線上って方位定まっていません?定まっていないのは発動地点と執着地点で、それを方位と言っているんでしょうか。あと、術者の頭って結構範囲広いけど誤差修正できるのかな。なお、単位は不明。

 

 赤ちゃんの生育状況などで一概には言えませんが、「あー」とか「うー」とかを喋るのでも3か月、単語を喋るのは1歳くらいでしょうか。つかまり立ちも6か月~1年くらいだと思います。
 この物語の村人は、迷子(というか家出)の子供を探しているときに先ほどまで母親に抱っこされていた0歳児がハイハイしてつかまり立ちし流ちょうに話しだし、あまつさえ探す場所を指示しだしますことに疑問を呈しません。好意的に見れば赤ちゃんが喋りだしたことにあまりに驚いている、と言えますがさすがに大人が十人以上いるんだからだれかツッコめ。

 家出がひと段落したら修道会から盗賊討伐の名目で騎士が派遣されます。後に派遣された騎士の左遷が理由だったと明かされますが、派遣元的にはそれでいいのか?左遷とはいえ盗賊討伐のために単騎で騎士を村に派遣するとか、修道会の信用とか面子とかはいいのか。あとこの作品だけではないんだけど騎士なら胸元の空いた装備とかやめて、刺されたら死んじゃう。

 不幸は突然にやってくるもので、村に盗賊が現れます。
 主人公は村や家を襲ってきた盗賊に対して「血祭の号令(テイストブラッド)」を使用します(盗賊の顔に命中したと思われる)。手に付着した物質(ここでは母親の血液)の物質量を増やしてぶっ飛ばすというものですが、ここでは物質量を5000乗算しています。
 ヘモグロビンの分子量は約64,500、仮に1molで64,500gとすれば手に付着しているが6gだとしても0.0001mol、5000を乗算すれば0.5gです。血液はヘモグロビンだけではないのでこの計算は適当もいいところですが、物語的に飛ばす意味あるのか。
 術式も手に触れし対象(=血液)の物質量へ5000乗算と言っているのに、物質量の乗算方位はデフォルト(0,0)とされています。空気の物質量を増やすなら飛びそうだけど血液の物質量を増やしてるし、距離をとるときって自分のほうを0にしないのか(相手が0でマイナス値が取れないなら基本魔法は「飛んでくる」ものなのか?)、誤解ならいいのですが理解できない自分にだれか解説してほしいくらいです。
 
 その後は「戦略的高血圧(メディカルライフル)」を使用して、盗賊(の肩口)から出血させます。その後も「戦略的高血圧(メディカルライフル)」を使用し続け盗賊の身体のいたるところから出血、意味が分からない。
 名前から察するに局所的に血圧をあげることで血管が破裂する、という魔法なんだろうけどそれなら「血祭の号令」いらないし、何度もやらずに心臓周りか脳の血管でやればいい。

 絵柄は可愛く整った印象。背景も怪しい感じのところはありつつも絵柄と近いタッチなので見やすいです。


 

 

余談

 1巻は掛け替えカバーが特典だったので買いましたが、以降は買っていません。現在はコミックス3巻まで発売中です。
 いろんなところにツッコミを入れたい方にはおすすめです。

作者・書籍関連

 唐辛子ひでゆさん
 https://twitter.com/tohgarashi_h


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