電子書籍化をするにあたっては非解体でスキャンする方法と解体してスキャンする方法の2種類があります。
非解体でスキャンする方法だと解体しないため紙媒体を保持したままスキャンができますが、本の綴じ部分のスキャンが歪みます。また、スキャンする紙の質によっては反射や屈折でページ内で色味が変わることがあります。
一方、解体してスキャンする方法は解体した紙媒体は廃棄するか、ポスターのように飾るしかありません。スキャンにおいてはページ自体に癖等がついていない限り平面的にスキャンできます。
漫画の電子書籍化の場合は一部の場合を除いて解体してスキャンすることをおすすめします。
理由としては以下のとおりです。
・平面でスキャンしたほうがきれい
・紙媒体を残すことを前提としていない
(本を保存するスペースを少なくすることを前提としているため)
・非解体のスキャンはページをめくる作業が必要
・失敗しても最悪買い直せば良い
それでは、自分の行っている解体方法と注意点を紹介します。
1.カバー、帯を取り外す
本体からカバーを取り外します。カバーの材質によっては折れや曲がりに非常に弱い場合があるので注意します。
2.本体表紙を剥がす
漫画は基本的に無線綴じをされており、表紙と本体中身とが糊付けされている状態です。本体表紙、背表紙、裏表紙は一体になっているため、裁断機やカッターを使用しなくても剥がすことができます。
漫画によっては表紙、背表紙、裏表紙にかけて一枚絵のようになっているので、変に切るより剥がしたほうが絵を保存できます。
※剥がすときには少し力を入れますので、色の濃い、特に黒色の表紙のものは手の脂が移らないように気を付けます。移ったとしても拭けば取れますので気を付ける程度で良いです。
3.本体を2~3分割する
本体は裁断機により糊部分を切り離します。漫画によっては厚さがあるものがあるので分割します。
一般的な厚さの漫画でも2分割することをお勧めします。理由としては厚いものを裁断し続けると裁断機の刃の早期摩耗や故障につながるためです。
※プラスの裁断機はPK-513で15mmの厚みの裁断ができるとされていますが、一般的な厚みの漫画(15mm)の裁断をし続けていると刃の間に糊と紙が挟まり切れないばかりか刃の交換に支障をきたすようになります。
4.裁断する
綴じ部分から2~3mm程度離したところで裁断します。
あくまで経験則ですが、離さない(1~2mm程度)と糊がついたままになり1枚1枚剥がす作業が必要になります。一方で離しすぎる(3mm以上)と見開きなど中綴じに近い部分の情報欠落が多くなります。
これを勘案すると大体2~3mm程度が作業を行いやすいです。
5.裁断したページの確認、個裁断
裁断機で裁断しても糊の範囲が広い部分があったり、裁断が斜めになったりなどの理由から、ページとページがくっついている場合がままあります。その状態でscansnapに給紙すると紙の重なりを検知して給紙が止まるか、最悪紙がくしゃくしゃになります。
それを予防するために面倒でも確認をします。
裁断が終わったらスキャンします。