電子書籍化において、スキャンの設定は重要な項目です。
最初に設定を決めておかないと、後で「やっぱりこっちの設定のほうがきれい」「こっちのほうが早い」などぶれてしまいます。
取り返しのつく「ぶれ」であればまだよいですが、dpiなどが変わると品質が変わってしまいますし、すでにスキャンし紙媒体を破棄してしまったものは再スキャンができません。
今回はdpiなどの設定ではなく、スキャンの方向について紹介します。
結論としては、自分は裁断した辺からスキャンするのがよいと思います。
・スキャンに必要な時間
スキャンの方向のみで考えると、スキャンのスピードが変わらないとした場合、B6版コミックスは縦約18cm、横約13cmなので、スキャンに必要な時間は横のほうが早いです。
・ローラーの汚れ
ローラーの摩擦で給紙しスキャンしますが、摩擦すればするほど汚れます。そのため、摩擦する面が少ないほど汚れにくくなり清掃が楽になります。
ローラーの汚れはスキャンする紙に移ることがあり、ローラーの汚れを少なくすることできれいにスキャンできます。
清掃をしていても1冊のうちに紙にローラーの汚れが移ってしまうこともあり、移ってしまった汚れは基本落ちません。
黒いコマや目立たないコマの部分に汚れが移ればよいですが、ローラーは中央部にあるため、そうはいきません。
・印刷への影響
漫画の4面を比較すると裁断した面(糊付けされていた辺)が白い(=印刷で線が入っていない)部分が多く、一番影響が少ないと考えられるため、ローラーの汚れが移りやすい給紙方向にすると影響が少ないです。
以上の3点から横方向にスキャンし、給紙方向は裁断した辺からがよいと判断しました。
なお、A5版のコミックは大きさの制約から縦方向でしかスキャンできません。
また、B6版のコミックでも場合によっては縦方向にスキャンします。