絶望的にセンスがない番組
発信形態
・投票はインターネット
・漫画家、出版社、専門家などの出演、コメントなどは無い
・放送時につぶやかれたツイートを流す
・全ての順位はTV放送で紹介されない
・タレントの面白くないだべり、コメント
これならインターネットで発信すれば事足りると思います。
色んな人の目に触れる宣伝効果を目的としているのであれば、１月３日0:40からではなく少なくとも日中、ベストはゴールデンタイムでしょう。それもないということは一般の人よりも漫画を読む人に向けての番組だと伺えます。
内容
・紹介されるものされないものができる
・紹介もそんなにする気はない
・１人何票なのかもわからない総選挙の結果
TV放送は100位中５つしか発表されないという内容を薄さで、インターネットに溢れ返る「面白い漫画〇〇選！」のような記事を見た方がよほど面白い。しかもインターネットの記事であればそこから電子書籍購入しやすいメリットまであります。
先に述べたこの番組の視聴者層を考えれば薄すぎる内容で開始５分見てもらえるのか、と思ってしまいます。
企画
・ジャンル（ヒューマンドラマ、スポーツ、コメディ、ルポなど）の別けなし
・年代（19××年代、週刊少年ジャンプ絶頂期以降、電子書籍出現以降など）の別けなし
・読者層（男性向け、女性向け、少年向けなど）の別けなし
・完、未完の別けなし
全部ごちゃ混ぜでやるのは構いませんが、基準がなさ過ぎて何をしたいのかが全然わからない。
しかもその判断基準を投票者に押し付けています。
「面白い」漫画なら何をもって「面白い」とするのか何がしか示さないとピントがずれたまま何の投票かわからなくなります。
「今人気」「今売れている」漫画であればトレンドや発行部数など客観的な数字を示せば良いので投票の意味がありません。
だからこそ「好きな漫画」でお茶濁して投票させたんだと思いますが。
ランキング
個人的にこういう企画のランキング形式、つまり「順位付け」をするのは好きではなく、むしろ嫌いです。
物語が面白い、技法が巧みである、話題性があるなど、確かに他よりも優れている作品というのはあると思います。
多くの人が面白いと思う作品もあるでしょう。
ですが、その漫画を面白いと感じるのは結局のところ読者次第です。
ある人には面白く他のある人には面白くないものを順位付けして意味があるでしょうか。
言い方を変えれば、選ばれなかったもの、順位が低いものは面白くないのでしょうか。
そんなことはありません。話題にあがらなくても、打ち切られても、単行本が出なくても、読者が面白ければ面白いんです。
せめて「今読者が選ぶ面白い漫画〇〇選」にして欲しいものでした。
さらに悪いことにこの番組はカウントダウン方式ではなくカウントアップ方式で１位から発表しだしました。
わざわざ「自分の選んだ漫画は１位かもしれない」「１位は何の漫画かな」という視聴者の興味を切り捨て「自分の選んだ漫画は何位だろう」だけにして興味を削ぐという恐ろしい構成です。
余談
漫画は日本に数ありますが、漫画に対する賞は割と多くありません。
「小学館漫画賞」や「講談社漫画賞」といった出版社が主催し歴史があるものから、最近だと「次にくるマンガ大賞」や「全国書店員が選んだおすすめコミック」など。
新人賞は各雑誌にあったりとさかんですが「漫画」の賞というよりあくまで「漫画家（新人）」発掘の意味合いが大きいと思います。
漫画の賞にしても、今回の漫画総選挙にしても面白い漫画の紹介、読んだことがない漫画の購入、読むことへの動機としては良いと思ます。
しかし、漫画総選挙はそれに見合う内容だったのでしょうか。
このブログでもおすすめ度として自分個人の感想と合わせて面白かったかを表しており、一つの指標、誰かが読むきかっかけにでもなればと思っていますが、この漫画はあの漫画より面白い、この漫画はあの漫画より下、などと思うことは決してありません。
同じ作者の別作品であれば比較もするかもしれませんが、基本はその漫画に対する絶対評価であり、相対評価はしても意味がないと考えているからです。
相対評価したいならせめて漫画の神様、手塚治虫さんの漫画全集４００巻を全て読んでからにしろ、話はそれからだ。と言いたいものです。
別の視点から言うと、作者のモチベーションとしてはありだとも思います。
●●賞をとった作品、その作者と言えば箔がつくし、そのために頑張れるというのもあるでしょう。
ただ、きれいごとですが、なにがしかの賞をとるための作品作りではなく、その作者が面白い、伝えたいと思う作品を作ってもらいたいです。
この視点からも今回の漫画総選挙はなにがしかのモチベーションを与えられたのか甚だ疑問です。
うだうだとしょうもないことを書きましたが、今日も自分を含め皆さんが面白い漫画に出会えるよう祈っています。