【感想】パラフィリア～人間椅子奇譚～（２巻完結）

　変態的な百合が好きな方におすすめ。

基礎情報

作品名　： パラフィリア～人間椅子奇譚～
ジャンル： エログロナンセンス
漫画　　： 佐藤まさき
原作　　： 佐藤まさき
出版社　： 小学館
掲載誌　： ヤングガンガン
レーベル： ビッグスピリッツコミックスペシャル
発表期間： 2016年
巻数　　： 2
状態　　： 完結
アニメ　： -

　生徒会長・神楽木マリに一方的な恋後頃を抱く少女・瞳子。
　神楽木の椅子としていきたいという奇怪な欲望を抱いた彼女は、ソファーをくりぬき、己の妄想を実行に移す。
　だが、神楽木は痴情のもつれから不倫関係にあった教師を殺害してしまった。
　秘密を知るのは椅子の中から一部始終を覗き見ていた瞳子のみ。
　「何があっても先輩を守る」と決意した瞳子は、校舎の屋根裏に潜み、何者かから脅迫を受ける神楽木を見守ることにしたのだが…

出典：パラフィリア～人間椅子奇譚～２巻裏表紙

感想概要

主な登場人物

・亜麻宮　瞳子（あまみや　とうこ）
　主人公。高校１年生。
　人と目が合うと恥ずかしくなり涙があるれて留まらなくなってしまう。
　

・神楽木（かぐらぎ）
　同じ高校の先輩で生徒会長。
　入学式で人と目が愛涙が止まらない主人公にハンカチを差し出した。

あらすじ

　高校の入学式、同じ学校の生徒とぶつかってしまい目が合う主人公・亜麻宮。
　彼女はその体質から涙が止まらなくなってしまう。
　早く止めようとすればするほどとめどなく、どうしようもなく混乱する中、ハンカチと共に手を差し伸べてくれたのは生徒会長の神楽木だった。

　それを機に神楽木のことばかり考えるようになった亜麻宮。
　ハンカチを本人に直接返そうとするも難しく、生徒会失のテーブルに置いて帰ろうとした。
　その時に生徒会室に偶然入ってきた神楽木、日々の生徒会の仕事からか椅子に座ってうたたねをしてしまう。

　慌てて隠れていた亜麻宮は憧れる神楽木を見ながら、彼女の座る椅子を見てあることを思いつく。
　

感想

　大衆娯楽誌『苦楽』の1925年9月号に掲載された江戸川乱歩の短編小説、人間椅子。
　100年も前に描かれた小説、そこから着想した本作。

　好きな人の一番近くにいたいという想い。
　しかしそれは、主人公によって常人には理解しがたい性癖と発想で実現される。

　相手にもっと安らいでほしい、自分を必要としてほしい、そんな純粋な感情に共感だけができただろう。
　椅子という形でなければ。　

　とても純粋でひどく歪な本作の着想元となる小説が100年前には発表されているとは人間の想像力は恐ろしいく
　それが今や青空文庫でタダで読める。

　ただの変態小説だったら残らなかったであろう、人を引き付ける何かが着想元から着実に得られている思える面白さ。
　２巻でさっと終わらせたのもジャンルや内容とあっている。
　
　絵もきれいで読みやすく大変面白いです。

作者・書籍関連

　佐藤まさきさん
　https://x.com/masayakofu