電子書籍について話題がありましたので、紹介と私の愚見を。
所有しない購入
GIGAZINE 「所有しない購入」となった電子書籍経済のあり方と今後の展望とは?
https://gigazine.net/news/20230820-anti-ownership
電子書籍については「利用権の購入」であり、紙書籍のような「所有権の取得」ではないと以前より申し上げているところですが、今回の記事では消費者目線だけでなく出版社や市場、図書館での利用についても考えさせられる内容でした。
図書館で一定の利用がされた書籍については(利用権の)再購入をするとされているものがあることや電子データについて「利用権」だけでなく「所有(購入)」の提供も提案されているなどとても興味深いです。
電子書籍の「所有」
簡単に複製・加工ができる電子データの集合体である電子書籍を「所有する」というのは
ぼんやりと考えただけでも以下の問題などがあり、法律的にも技術的にもまだ先になるのではないかと思っています。
・所有権絶対の原則(財産権を保障する憲法第29条、所有権の内容を定める民法206条)の範囲内でどのように解釈されるのか
・電子データを複製した場合には複製元データも複製先データも所有することとなるのか
・例えば個人利用の範囲内での複製や印刷はどうか
・紙書籍でよくある漫画の貸し借りは電子データではどのように取り扱うのか
・電子データの複製禁止や印刷禁止をする技術が可能か